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長野県はワイン用ブドウの生産量が全国トップクラスで、県内のワイナリーは年々増え続けています。県は「信州ワインバレー構想」を掲げて新規参入を後押ししており、各地の市町村では小規模なワイナリーを始めやすくする「ワイン特区」の認定も進んでいます。
「自分の畑で育てたブドウで、自分のワインをつくりたい」「農業法人として醸造まで手がけたい」――そんな方が最初に直面するのが、醸造所(ワイナリー)の建物をどう建てるかという問題です。ワイナリーは一般的な倉庫とは違い、温度管理や排水、衛生面への配慮が欠かせません。また、建物の計画は酒類の製造免許の申請とも深く関わっています。
本記事では、長野県で軽量鉄骨造の倉庫・作業場を数多く手がける「軽量鉄骨WORKS」が、ワイナリー建築の前に知っておきたい設計のポイント・費用の考え方・免許と建物の関係をわかりやすく解説します。
ワイナリーの建物には、ブドウを受け入れてからワインを出荷するまでの工程に合わせて、いくつかの部屋(エリア)が必要です。まずは全体像をつかんでおきましょう。
| エリア | 主な役割 | 建物で配慮したいこと |
|---|---|---|
| 受け入れ・仕込み | ブドウの選果・除梗・破砕・圧搾 | トラックの横付け、水を多く使うための床の排水、出入口の広さ |
| 発酵・貯蔵 | タンクでの発酵、樽・タンクでの熟成 | 安定した温度、タンクの高さに合わせた天井高、床の耐荷重 |
| 瓶詰め・ラベル貼り | 瓶詰め・打栓・ラベル貼り | 清潔さを保ちやすい内装、作業スペース |
| 製品・資材倉庫 | 瓶詰め後のワインや資材の保管 | 温度変化の少ない保管環境、出荷動線 |
| 試飲・販売スペース(任意) | ワインツーリズムの来訪者対応 | 製造エリアと分けた動線、駐車場、トイレ |
小規模なワイナリーでは、これらを一つの建物の中で間仕切って計画するケースが多く見られます。最初からすべてを大きくつくる必要はありませんが、将来の生産量の増加や増築を見込んだ配置にしておくと、後から困りません。
ワインづくりでは、発酵中や熟成中の温度を安定させることが品質に直結します。外気温の変化が建物の中に伝わりにくいよう、屋根・壁の断熱性能を高めることが基本です。そのうえで、発酵・貯蔵エリアには空調設備を計画します。長野県は夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きい地域が多いため、特に断熱の考え方が重要です。
仕込みの時期はタンクや機械の洗浄で大量の水を使います。床に水が溜まると衛生面でも作業性の面でも問題になるため、排水溝の位置と床の水勾配を設計段階でしっかり決めておくことが大切です。あわせて、醸造に伴う排水の処理方法についても、建築地の自治体のルールを事前に確認しましょう。
ワインは食品です。床や壁は汚れが染み込みにくく、洗浄しやすい仕上げを選びます。床は水や酸に強い仕上げ材を検討し、壁の下部も水洗いに耐えられる仕様にしておくと、日々の清掃がぐっと楽になります。
発酵タンクは背の高いものも多く、上部から作業するための足場やスペースも必要です。設置予定のタンクの高さ・容量・台数を事前に整理し、それに合わせた天井高と、重量物に耐えられる土間コンクリートを計画しましょう。
収穫期にはブドウを積んだトラックが出入りし、出荷時には製品の積み込みがあります。受け入れ口と出荷口の位置、トラックの回転スペースを含めた配置計画が作業効率を左右します。また長野県では、屋根の積雪荷重への対応や、落雪が出入口をふさがない屋根の向きの検討も欠かせません。
ワイナリーの建物には、木造・重量鉄骨造・軽量鉄骨造などさまざまな工法があります(工法ごとの比較は長野県で倉庫を建てる理想的な建て方をご覧ください)。小〜中規模のワイナリーには、次の理由から軽量鉄骨造がよく合います。
建物本体の費用は、延床面積と仕様によって大きく変わります。参考として、軽量鉄骨WORKSの倉庫・作業所向け規格プランの価格は次のとおりです(詳しくは倉庫・作業所ページ)。
| プラン | 延床面積 | 価格(税抜) | 工事期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 30坪プラン | 30坪(約99㎡) | 1,200万円 | 約2.5か月 |
| 60坪プラン | 60坪(約198㎡) | 1,500万円 | 約2.5か月 |
| 90坪プラン | 90坪(約297㎡) | 2,000万円 | 約2.5か月 |
| 120坪プラン | 120坪(約397㎡) | 2,500万円 | 約2.5か月 |
ワイナリーの場合は、これに加えて次のような費用がかかります。規格プランの価格はあくまで建物の目安としてお考えください。
正確な費用は、生産量や設備の内容をお伺いしたうえでお見積りします。無料お見積りからお気軽にご相談ください。
ワインを製造・販売するには、税務署で「果実酒製造免許」を取得する必要があります。免許の申請では、製造場の敷地や建物の配置図、製造設備の状況などを提出するため、建物の計画と免許の準備は並行して進めることになります(出典:国税庁「酒類製造免許関係」)。
特区の対象地域や要件は地域ごとに異なり、変更されることもあります。計画の初期段階で、建築地の市町村と所轄の税務署に確認しておきましょう。
ブドウ畑の近くに醸造所を建てたい場合、土地が農地であれば農地転用の手続きが必要になることがあります。また、市街化調整区域や用途地域によっては建築に制限がかかります。倉庫建築にかかわる法規制は長野県で倉庫を建てる前に必ず知っておきたい法規制、農地での建築については長野県で農業用倉庫を建てる前に確認することでも解説しています。
倉庫建築全体のスケジュールについては、倉庫建築は「スケジュール管理」が成功の鍵もあわせてご覧ください。
ワイナリーの建物は、温度管理・排水・衛生・動線といった醸造所ならではの条件を満たしながら、免許の申請や収穫期のスケジュールとも足並みをそろえて計画する必要があります。
軽量鉄骨WORKSは、長野県で軽量鉄骨造の倉庫・作業場・農業用倉庫を数多く手がけてきた建築会社です。柱の少ない大空間と短工期、コストを抑えた建築で、これからワイナリーを始める方の建物づくりをサポートします。「まずはどのくらいの規模・費用になるか知りたい」という段階でも構いません。お気軽にお問い合わせください。資料をご覧になりたい方は資料ダウンロードもご利用いただけます。